活動レポート

文教経済委員会で質問!児童虐待ホットラインの早期開設を!

6月25日の文教経済委員会で質問しました。
080926-1
●杉田忠裕委員:まず、児童虐待についてお聞きいたします。児童虐待は子供の命にかかわる行為でございます。これを許すことのないように社会全体が取り組んでいく、そういう重要な問題でございます。大阪市では、昨年度871件もの虐待通報、また相談がありました。先ほどの質疑でもございましたが、年々増加の傾向にあるということでございます。こうした中、ことし4月、何回もこれ議題で上がってますけど、西淀川区の佃西小学校の女子児童が虐待により死亡するといった大変痛ましい事件が起こっておりまして、関係者を初め市民は大きなショックを受けたところでございます。同時に、この女子児童の死を絶対に無駄にしてはならない、二度と同じことを繰り返すことがない、そのようにこれまで以上に積極的に虐待の未然防止、また早期発見、早期対応の取り組みを講じていく必要があると、改めて強く感じた次第でございます。先月開催された文教経済委員協議会で、我が党の島田議員が西淀川区の事件で、市民が虐待の事実を知っていたにもかかわらず、児童相談所などに通報されなかった。虐待通報専用のホットラインを設置して、通報しやすいシステムをぜひともつくってほしいとのそういう質問をしまして、市長から早急に対応していくとの御答弁がございました。今回、虐待ホットラインについての補正予算の計上がされております。2,810万円ですか、されておりますけれども、一定評価するものでございますけども、虐待を見かけたら市民が迷うことなく通報できるよう、有効に機能するように努力しなければならないと思います。そこで、まずお聞きしますが、この虐待ホットラインはどのような仕組みで、どのような体制で、いつから開設するのか、お聞きいたします。
●上野こども青少年局中央児童相談所児童相談担当課長:今回開設いたします虐待ホットラインは、4月に発生いたしました西淀川区事件で、虐待に気づいた市民などにとって通報先がわかりにくいという教訓を踏まえ、市民などからの虐待相談や通告の相談をよりかけやすくいたしますため、中央児童相談所に24時間365日、通告などに対応する(仮称)児童虐待ホットラインとして専用電話を設置するものでございます。虐待されていると思われる子供を見つけた市民などがフリーダイヤルでいつでも相談・通告をすることができるようにいたします。 電話の対応につきましては、新たに採用する7人の非常勤嘱託職員が交代しながら、24時間直接、相談・通告を伺い、作成した記録を速やかに虐待対策室に連絡し、虐待対策室の早期対応につないでいくこととしており、9月のできるだけ早い時期に開設したいと考えております。
●杉田忠裕委員: 今、児童虐待ホットラインの内容についてお聞きしましたけども、虐待に気づいた市民が迷うことなく相談・通報できるようにするために、まず電話番号は覚えやすいものでなければならないと思います。例えば7205ですね、なにわっ子。24時間やってますから24とか、0120ですね。そういうことも考えるんですけど、どう考えておられるのか、ちょっとお聞きします。
●上野こども青少年局中央児童相談所児童相談担当課長:お尋ねの電話番号につきましては、今後、早急に検討してまいる必要があるというふうに考えておりますが、委員御指摘のとおり、市民の方々にとりまして覚えやすく相談・通告しやすいものでなければならないというふうに考えております。例えば、虐待専用電話であることがイメージできるような覚えやすい数字などで記憶しやすいものにいたしまして、あらゆる機会を通じて広く市民等への周知を図ってまいります。
●杉田忠裕委員:今、程度の重い軽いがあったとしても、暴力によるしつけは虐待という御答弁がございました。子供も一人の人格でございます。弱い立場ですけども、やっぱり弱い立場の人間に暴力を振るう、手をかける、そういうのはあってはならないと私自身もそのように思っております。何をもって暴力と言うのか、また、親が子供に対して愛情を持って暴力を振るった場合、虐待と言えるのかどうか、それもちょっとお聞きします。
●市村こども青少年局中央児童相談所児童援護担当課長:子供の体や心を傷つける行為が暴力と言えます。児童虐待防止法では、親など保護者によって子供の体や心を傷つける行為を身体的虐待や心理的虐待と定義づけております。したがいまして、たとえ子供に対する愛情があったとしても、子供の体や心を傷つけるような暴力は虐待であるというふうに考えております。
●杉田忠裕委員:今、子供に対する愛情があったとしても子供の体や心を傷つけるような暴力は虐待だと、そういう御答弁でございました。今回の西淀川区の事件で、周りの人たちが虐待に気づいていながら関係機関への通告に至らなかったということでございますけども、その原因の一つに、通告したことが相手にわかってしまい、後で何らかのトラブルに巻き込まれたり、また自分に危害が加わることを心配して通告をためらうこともあると思います。通告者の保護についてはどのようになっているのか、お伺いいたします。
●市村こども青少年局中央児童相談所児童援護担当課長:通告をいただいた場合、できるだけ負担を軽くしていただくためにも、匿名でもよいことや通告者を漏らすことがない旨、お伝えをしております。また、児童虐待防止法7条にも、通告をした者を特定させるものを漏らしてはならないとされており、これは、虐待を行っている親などに対して通告をしたことが漏れることによって、近隣住民などの通告者が通告をちゅうちょすることがあってはならないとの趣旨から設けられたものでございます。また、児童虐待防止法第6条において、医療関係者や公務員が児童虐待を発見した場合、児童相談所に通告することは守秘義務違反に当たらないことを法律上に明記いたしまして、ちゅうちょすることなく通告を行うことを促しているものでございます。
●杉田忠裕委員:今、御答弁で、通告をちゅうちょすることのないように、児童相談所が通告者に関する情報を漏らさないようにしていることはわかりました。子供の虐待を発見しやすいのは、やはり子供を診察する病院であったり、また当然、子供と毎日顔を合わせている学校であったりします。そのことから、病院や学校などが通告した場合、相手が通告者を特定しやすい状況にあると、そのように思われます。通告したことで保護者が逆恨みしたり、怒鳴り込んだり、恫喝したり、そういう可能性もあると思います。このようなことを考えると、病院や学校では通告に大きな抵抗を感じているのではないだろうかとそのように思います。このような抵抗をなくすために、だれが通告したかもわからないというそういうことももっと周知徹底する必要があると、そのように思いますけども、教育委員会のほうにお聞きします。
●柴山教育委員会事務局指導部初等教育担当課長:今回の佃西小学校の事件では、児童のとうとい命が奪われるという最悪の結果となり、今もって無念であり、二度とこのような事件を起こさない決意でございます。教育委員会では、さきの文教経済委員協議会でも御協議いただいたことを踏まえ、この間、児童虐待防止支援委員会において結果の分析と検証を進めていただいております。7月上旬には提言をいただくことになっております。虐待防止支援委員会のこれまでの御議論の中でも、虐待の早期発見、未然防止にとって、虐待やその疑いのある事象を発見したときにちゅうちょすることなく児童相談所や関係諸機関に相談・通告することは、何よりも重要であるといった意見が出されております。もとより、児童虐待防止法第6条により、学校は、虐待やその疑いのある児童を発見したときには通告する義務を負っております。ただ、学校だけでなく保護者や地域の方々がちゅうちょすることなく児童相談所等に通告することで、通告者が特定されにくくなるというふうに思われます。教育委員会といたしましては、児童虐待防止法の趣旨を全学校園の教職員に再度周知徹底するとともに、各学校園を通じて保護者や地域の方々に児童虐待防止について、リーフレット等を活用して啓発し、虐待を発見したときには児童相談所や関係諸機関にちゅうちょすることなく相談・通告がなされるよう努めてまいります。
●杉田忠裕委員:今御答弁で、虐待防止法第6条に、学校は、虐待やその疑いのある児童を発見したときには通告する義務を負うということになっております。先般の文教経済委員協議会で、西淀川区の事件に関しての理事者の御答弁で、学校は、保護者との人間関係を考えて児童相談所には通告しなかったと、そのような御答弁がございましたけども、命にかかわる法律よりも人間関係を優先するという、そのように私もこれ、何かとらえるような気もするんですけども、何かちょっとおかしいなと、すとんと落ちないんですけども、どうでしょうか。
●柴山教育委員会事務局指導部初等教育担当課長 先ほどもお答えいたしましたように、児童虐待防止法第6条により、学校は、虐待やその疑いのある児童を発見したときには通告する義務を負っております。佃西小学校では、担任があざを発見した時点では、保護者との信頼関係を構築する時期でもございまして、判断の難しいところでもございますが、継続的な見守りをしようと決めておりましたにもかかわらず、その後、組織としての情報収集や情報交換ができていなかったことは、学校としての対応に問題があると言わざるを得ません。結果として通報の義務が果たされていないという点については、不適切な対応であったと考えております。今回の事件については、現在、虐待防止支援委員会で検証していただいているところでございますけれども、一般的には、通報者が特定されるということが通報をためらうことの一因であるというふうに考えております。
●杉田忠裕委員:次に、今回の西淀川区の痛ましい事件をきっかけに、これまで虐待を受けていたけれども、潜在的に埋もれて苦しんでいた子供たちが浮かび上がってきたと思います。それらの情報をキャッチするために、今回、児童相談所に児童虐待ホットラインが設けられ、また直接、児童相談所で24時間365日、相談・通告が受けられるということは非常によかったと、そのように思います。今回の事件を受けて、児童相談所での相談・通告はふえていると先ほどの質疑でもございました。これまでの児童虐待相談の推移と、この事件を契機にどれぐらい相談・通告がふえたのか、お伺いいたします。
●市村こども青少年局中央児童相談所児童援護担当課長:。児童相談所への虐待相談件数は年々増加の一途をたどっておりまして、平成11年度240件であったものが平成20年度は871件と3.6倍になっております。また、平成20年度の件数を月の平均にいたしますと約73件の相談件数となりますが、今年度につきましては、速報値ではございますが、4月には104件、5月には106件の児童虐待相談がありまして、約1.4倍と相談が急増している状況にあります。今後、児童虐待ホットラインの導入によりまして、潜在化している児童虐待相談をさらにきめ細かくキャッチし、早期に対応してまいりたいというふうに考えております。
●杉田忠裕委員:約1.4倍も相談がふえているということでございますけども、5月には106件ですか、4月は104件ということでございます。 こども青少年局と教育委員会から答弁をいただきました。児童虐待については、学校や一般市民などから安心して通報できるように、通報者が特定できない環境づくりをすれば、通報者の不安感が払拭され、24時間対応の虐待ホットラインも一層生かされると思います。虐待の未然防止や虐待の早期発見・早期対応にも一層効果があると思います。また、児童虐待については、未然防止や早期発見・早期対応にとどまらず、先ほどの質疑にもございました、虐待を受けた子供たちについて、その後の対応を含めて総合的な視点からの対応が必要であると、そのように思います。 
●森こども青少年局長 :児童虐待防止は、社会全体で早急に取り組むべき重要な課題でございますが、虐待の発生予防や早期発見・早期対応から虐待を受けた子供の保護・自立に至るまでの切れ目のない総合的な支援を行うことが重要であると認識いたしております。このために、新たに児童相談所に24時間の虐待ホットラインを設置し、市民の方が虐待を通報しやすい仕組みをつくりますとともに、あらゆる場面・機会をとらえて、効果的な啓発を継続的、また集中的に行い、広く市民に児童虐待はあってはならないということを周知徹底してまいります。このことによりまして、虐待を発見したとき、もしくは疑いを持ったときに通報することが当たり前のこととして市民に定着し、だれもがためらわず、安心して通報できる環境をつくってまいりたいと考えております。今後とも、各局と連携して、大阪市としての市民啓発の取り組みを一層進めてまいります。また、虐待を受けた児童への支援のため、相談・通報に対する48時間以内での安全確認の実施や一時保護のための体制の充実に今後も努めますとともに、虐待を受けた児童につきましても、なるべく家庭的な環境の中で適切なケアを受けられるよう、受け皿である児童養護施設などの施設や里親制度についても、その充実を図ってまいりたいと考えております。さらに、虐待を受けた子供が保護者とまた暮らすことができるような家族機能の回復を図るなどの施策に取り組んでまいりたいと思っております。家族機能の回復を図りますためには、事態が深刻化する前に一刻も早い事態の解決に取り組むことが肝要と考えておりまして、そういう意味でも、今回の通報ということにつきましては局としても力を入れて取り組んでまいりたいと思います。いずれにいたしましても、今回の痛ましい事件を二度と繰り返さないという決意のもとに、子供たちの支援を含め、さまざまな点から児童虐待の防止のための対策を総合的に講じてまいりますので、どうかよろしくお願いいたします。
●杉田忠裕委員:今、こども青少年局長の答えがございました。通報が当たり前のこととして市民に定着し、だれもがためらわずに安心して通報できる環境をつくってまいりたいと、そのように御決意を述べていただきました。教育委員会としての見解もちょっとお聞きしたいと思います。
●吉田教育委員会事務局指導部長 教育委員会といたしましても、通報が当たり前のこととして市民に定着し、だれもがためらわずに、安心して通報ができる環境をつくることが大切なことと認識しております。こども青少年局とも連携いたしまして、一層取り組みを進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。

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